この記事は、公開されている情報や犬種に関する一般的な知見をもとにWANLABが独自にリサーチ・編集しています。できる限り正確な内容を心がけていますが、情報が古くなっている場合や個体差によって当てはまらない場合もあります。健康やしつけに関する判断は、必要に応じて獣医師や専門家にもご相談ください。
犬が寝ているときに「ぐうぐう」「ぶうぶう」と音を立てると、かわいく感じる一方で、呼吸が苦しいのではないかと心配になることがあります。
いびきは、寝姿勢や鼻の形、体重、鼻や喉の炎症など、いくつかの要因で起こります。軽い寝息の範囲で済むこともありますが、急に強くなった音、起きているときの呼吸音、咳、失神、舌や歯ぐきの色の変化を伴う場合は、早めの確認が必要です。

いびきは「空気の通り道」が狭くなる音
犬のいびきは、鼻、喉、軟口蓋、喉頭など、上気道と呼ばれる空気の通り道で音が出ている状態です。寝て筋肉がゆるんだとき、鼻が詰まっているとき、喉の奥の組織が空気の流れを邪魔するときなどに、振動音として聞こえます。
一時的に横向きや仰向けで寝ているときだけ軽く鳴るなら、すぐ病気と決めつける必要はありません。ただし、以前より大きくなった、毎晩続く、起きている時間にも「ゼーゼー」「ヒューヒュー」「ガーガー」と音がする場合は、単なる寝息とは分けて考えたいサインです。
よくある原因は寝姿勢・体重・鼻や喉の状態
まず見たいのは、音が出る場面です。仰向けで首が曲がっているときだけ鳴る、寝床を変えると軽くなる、興奮後や暑い日に強くなるなど、きっかけがある場合は記録しておくと受診時に説明しやすくなります。
- 寝姿勢: 首や喉が曲がる姿勢で、空気の通り道が狭くなることがあります。
- 体重増加: 首まわりや胸まわりの負担が増えると、呼吸音が目立ちやすくなることがあります。
- 鼻づまり・炎症: くしゃみ、鼻水、目やに、咳が一緒にある場合は、鼻や気道の問題も考えます。
- 口や鼻の中の問題: 歯の炎症、できもの、異物などが関係することもあります。
- 加齢に伴う喉の変化: シニア犬では、喉頭の動きが弱くなる病気が隠れることがあります。
家庭では、音の大きさだけでなく、呼吸の速さ、寝ている姿勢、暑さ、運動後かどうか、咳や鼻水の有無、食欲や元気の変化をセットで見ます。動画を短く撮っておくと、動物病院で実際の音を伝えやすくなります。
短頭種のいびきは「犬種だから普通」で止めない
フレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズー、ペキニーズ、ボストン・テリアなど、鼻の短い犬種は、いびきや鼻音が出やすい傾向があります。VCA Animal Hospitalsは、短頭種気道症候群では鼻の穴の狭さ、長すぎる軟口蓋、喉頭の変化、気管の細さなどが重なり、呼吸に余分な努力が必要になると説明しています。
Cambridge Veterinary Schoolも、短頭種では上気道の閉塞によって呼吸器の問題が起きることがあり、すべての短頭種に症状が出るわけではない一方、重症度には個体差があるとしています。

「この犬種はみんな鳴るから」と見過ごすと、暑さ、興奮、運動、体重増加で急に苦しくなることがあります。寝ているときのいびきだけでなく、散歩中にすぐ止まる、舌を大きく出す、暑い日に回復が遅い、起きているときも音が強い場合は、早めに相談しましょう。
家庭でできる範囲は「環境調整」と「観察」
家庭でできるのは、原因を決めつけて治療することではなく、呼吸が楽になりやすい環境を整え、変化を見逃さないことです。寝床は首が折れ曲がりにくい高さにし、暑い季節は室温と湿度を管理します。首輪で喉を圧迫しやすい子は、散歩時にハーネスを検討すると安心です。
体重管理も大切です。VCAのBOAS解説では、過体重は呼吸の負担を強める要因として扱われています。急なダイエットではなく、食事量、間食、運動量、体型を動物病院で確認しながら、無理のない範囲で整えていきましょう。

一方で、自己判断で人用の鼻炎薬や睡眠対策グッズを使うのは避けてください。鼻や喉の構造、感染、歯、腫れ、喉頭の病気などは家庭だけでは見分けにくく、薬がかえって危険になることもあります。
受診目安と緊急サイン
次のような変化がある場合は、単なるいびきとして様子見しすぎず、動物病院で相談しましょう。
- 急にいびきが始まった、または短期間で大きくなった
- 起きているときにもゼーゼー、ヒューヒュー、ガーガー音がする
- 咳、くしゃみ、鼻水、鼻血、目やに、発熱、食欲低下がある
- 散歩や興奮後に回復が遅い、すぐ座り込む
- シニア犬で声がかすれる、むせる、食事や水のあとに咳き込む
- 短頭種で暑さや湿度の日に呼吸音が強くなる
特に、呼吸が苦しそうで眠れない、舌や歯ぐきが青紫っぽい、倒れる、意識がぼんやりする、口を大きく開けて荒い呼吸が続く、暑い日にぐったりしているといった場合は緊急性が高いサインです。夜間でも救急対応を含めて相談してください。

まとめ
犬のいびきは、寝姿勢や体型で一時的に出ることもあります。ただ、短頭種、シニア犬、過体重の子、鼻水や咳を伴う子では、呼吸の通り道に負担がかかっている可能性もあります。
大切なのは、「かわいい音」で終わらせず、変化を見てあげることです。いつから、どんな姿勢で、どのくらいの音が出るのか。起きている時間の呼吸は楽そうか。そこを落ち着いて観察し、少しでも苦しそうなら早めに専門家へつなげましょう。
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参考情報
- VCA Animal Hospitals「Brachycephalic Airway Syndrome in Dogs」
- University of Cambridge Department of Veterinary Medicine「About BOAS」
- VCA Animal Hospitals「Laryngeal Paralysis in Dogs」
- The Spruce Pets「Why Does My Dog Snore?」
