まるでぬいぐるみのようなふわふわの毛並みと、くりくりの大きな瞳——ポメラニアンは、世界中で愛される人気の小型犬です。
JKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種別登録数でも常に上位にランクインしており、日本でも長年親しまれてきました。イギリスのビクトリア女王が愛したことでも知られ、「ポメ」という愛称でも親しまれています。
でも、ポメラニアンって実際どんな性格なの?吠えやすいって本当?この記事では、ポメラニアンの特徴・性格・習性から、飼う前に知っておきたい注意点まで詳しく解説します。
ポメラニアンを飼いたい方も、ポメラニアンについてもっと知りたい方も、ぜひ参考にしてください。
ポメラニアンってどんな犬?基本情報
ポメラニアンは、ドイツとポーランドの国境に位置するポメラニア地方が原産地で、その地名が犬種名の由来となっています。祖先は寒冷地でソリを引いていたサモエドやジャーマン・スピッツといった大型犬で、かつては中型犬サイズでした。
18世紀にイギリスに渡ってから徐々に小型化され、ビクトリア女王が愛好したことをきっかけに世界的に有名になりました。女王は1891年のドッグショーにも出場させ入賞するなど、ポメラニアンの普及に大きく貢献したのです。

| 原産国 | ドイツ(ポメラニア地方) |
| 体高 | 18〜25cm |
| 体重 | 1.5〜3kg |
| 平均寿命 | 12〜16歳 |
| 被毛 | ダブルコート(豊かな長毛) |
| グループ | JKC第5グループ(原始的な犬・スピッツ) |
ポメラニアンの外見的特徴
体型・サイズ
ポメラニアンはボリュームのある被毛に覆われ、ふんわり丸いシルエットが特徴的です。しかし、実際の体は小さく、骨格も細め。シャンプーで毛が濡れると、意外なほど華奢な体型がわかります。
背中の高い位置から前方に倒れるように生えた、ふさふさの尻尾もポメラニアンならではの特徴です。
「きつね顔」と「たぬき顔」の違い
ポメラニアンには、大きく分けて2つの顔立ちがあります。
| きつね顔 | たぬき顔 | |
|---|---|---|
| マズル(鼻筋) | 長め | 短め |
| 顔の印象 | 凛々しい・シャープ | 丸い・愛らしい |
| 体格傾向 | やや大きめ | 小さめ |
| 特徴 | 祖先のスピッツに近い | 品種改良で生まれた |
現在流通しているポメラニアンの多くは、優しい印象のたぬき顔です。ただし、きつね顔のほうが先祖のスピッツの特徴を色濃く残しているとも言われており、どちらにもそれぞれの魅力があります。
毛色のバリエーション
ポメラニアンの大きな魅力のひとつが、豊富な毛色バリエーションです。JKC公認だけでも10色以上あり、選ぶ楽しさがあります。
- オレンジ:最も人気のある定番カラー。明るく華やかな印象
- ホワイト:純白の美しい被毛。汚れが目立ちやすいためお手入れは丁寧に
- ブラック:アンダーコートも黒い。クールでシックな印象
- クリーム:優しいベージュ系。ホワイトに近い子もいます
- オレンジ・セーブル:オレンジに黒い差し毛が入った毛色
- パーティーカラー:白地に他の色の斑が入った毛色

ポメラニアンの性格・気質
活発で好奇心旺盛
小さな体からは想像できないほど、ポメラニアンはエネルギッシュで活発です。新しいおもちゃや遊びに興味津々で、常に周囲を探検したがります。子犬の頃は特にそのエネルギーは無限大に感じられるでしょう。
ボール遊びやノーズワーク(嗅覚を使った宝探しゲーム)など、頭と体を使う遊びが大好きです。
甘えん坊だけど自立心もある
飼い主に対してはべったりと甘える一方で、意外にも自立心が強いのがポメラニアンの特徴です。「こんなに甘えん坊なのに留守番は大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、実は分離不安が少なく、お留守番が比較的得意な犬種なんです。
感情表現が豊かで、「楽しい」「つまらない」といった気持ちが全身から伝わってくるところも大きな魅力ですね。
賢くて物覚えが良い
ポメラニアンは知的で学習能力が高く、しつけがしやすい犬種です。飼い主の言葉や態度をよく観察しており、一貫性のあるトレーニングを行えば、新しいコマンドもすぐに覚えてくれます。
ただし、その賢さゆえに「自分のほうが上」と勘違いしてしまうことも。甘やかしすぎると、わがままになってしまう可能性があるので注意が必要です。
警戒心が強く、小さな番犬気質
祖先が番犬として活躍していた名残なのか、ポメラニアンは警戒心が強い一面があります。自分が小さいことに気づいていないかのように、大型犬相手でも一歩も引かないこともあるほど。
この勇敢さは頼もしくもありますが、見知らぬ人や犬、物音に対して吠えやすい傾向にもつながります。
オスとメスの性格の違い
ポメラニアンはオスとメスで性格傾向に違いがあると言われています。もちろん個体差はありますが、迎え入れる際の参考にしてみてください。
| オス | メス | |
|---|---|---|
| 体格 | やや大きめになる傾向 | やや小さめになる傾向 |
| 性格傾向 | やんちゃで元気いっぱい | 大人しく落ち着いている |
| 甘え方 | 素直でストレート | 甘え上手で状況を見る |
| 警戒心 | 強め、吠え癖がつきやすい | オスより控えめ |
| しつけ | 根気が必要なことも | 比較的スムーズ |
個体差が大きいので、実際に会って相性を確かめるのが一番です。ブリーダーさんやペットショップのスタッフに性格を聞いてみましょう。
ポメラニアン特有の習性・行動
吠えやすい傾向がある
ポメラニアンを飼う上で知っておきたいのが、吠えやすい傾向があること。散歩中に会う人や犬、すれ違う車や自転車、家のチャイム音や訪問者など、さまざまなものに反応して吠えることがあります。
これは恐怖心や警戒心から来ているケースがほとんど。吠える対象が「安全なもの」だと教えてあげることが大切です。子犬のころからさまざまな人や犬、音に慣れさせる「社会化」をしっかり行いましょう。

豊かな被毛と換毛期
ポメラニアンはダブルコート(二重構造の被毛)を持っています。外側の毛(オーバーコート)は硬めで、内側の毛(アンダーコート)は柔らかく保温性に優れています。
春と秋の換毛期には大量の毛が抜けるため、この時期は毎日のブラッシングが必要です。普段でも週1〜2回のブラッシングを習慣にしましょう。耳の後ろや脇の下、内もも、尻尾の付け根は毛玉ができやすいので、重点的にケアしてあげてください。
年齢とともに落ち着く
子犬の頃は底なしのエネルギーで走り回るポメラニアンですが、年齢を重ねるにつれて落ち着いてきます。成犬になると、抱っこされるのが大好きな「真の愛玩犬」に成長していきます。
ただし、運動は生涯を通じて必要です。高齢になっても無理のない範囲で散歩や遊びを続けましょう。
ポメラニアンを飼う上での注意点
しつけのポイント
ポメラニアンは賢いので、しつけ自体はそれほど難しくありません。ただし、以下の点に注意しましょう。
- 一貫性のあるルールを設ける
- 子犬のうちから社会化トレーニングを行う
- 吠え癖・噛み癖がつかないよう早期にしつける
- 過度に甘やかさず、メリハリをつける
気が強い一面があるため、甘やかしすぎると「自分が一番偉い」と勘違いして言うことを聞かなくなることも。愛情を注ぎながらも、ダメなことはダメと毅然とした態度で教えることが大切です。
運動量の目安
1日2回、各15〜30分程度の散歩が理想的。活発な子は室内遊びもプラスしましょう。
小型犬なので運動量が少ないと思われがちですが、ポメラニアンは活発な犬種です。毎日の散歩は欠かさず行いましょう。雨の日や散歩だけでは物足りなさそうな場合は、室内でボール遊びなどをしてあげてください。
お手入れのポイント
美しい被毛を保つためには、日頃のお手入れが欠かせません。
- ブラッシング:週1〜2回(換毛期は毎日)
- シャンプー:月1〜2回程度
- トリミング:必要に応じて(カットスタイルを楽しむのも◎)
- 耳掃除:定期的にチェック
- 歯磨き:できれば毎日
骨や関節への配慮
ポメラニアンは骨格が細く、骨折や脱臼をしやすい犬種です。以下の点に気をつけましょう。
- フローリングでは滑り止めマットを敷く
- 高い場所からのジャンプを避ける
- ソファやベッドにはスロープを設置
- 抱っこの際は落とさないよう注意
かかりやすい病気
ポメラニアンは比較的丈夫な犬種ですが、以下の病気には注意が必要と言われています。定期的な健康診断をおすすめします。
- 膝蓋骨脱臼(パテラ):膝のお皿がずれる病気。小型犬に多く、先天性のケースも。歩き方の異常やスキップのような動きに注意
- 気管虚脱:気管が潰れて呼吸しにくくなる病気。「ガーガー」という咳が特徴。首輪よりハーネスの使用がおすすめ
- 僧帽弁閉鎖不全症:心臓の弁に異常が生じる病気。高齢の小型犬に多い。咳や息切れ、運動を嫌がる様子に注意
- アロペシアX(ポメラニアン脱毛症):頭と手足以外の毛が抜ける原因不明の脱毛症。1〜4歳で発症することが多い
肥満は気管虚脱や関節疾患のリスクを高めます。適切な食事量と運動で体重管理をしっかり行いましょう。
ポメラニアンに関するよくある質問
初心者でも飼える?
ポメラニアンは賢くしつけがしやすいため、初心者でも飼育しやすい犬種です。ただし、吠え癖がつきやすい点や、被毛のお手入れが必要な点は事前に理解しておきましょう。子犬のうちからきちんとしつけを行えば、素敵なパートナーになってくれますよ。
マンションでも飼える?
小型犬なのでマンションでも飼育可能です。ただし、吠えやすい傾向があるため、早期からの吠え対策は必須。ペット可物件でも騒音トラブルにならないよう、しつけをしっかり行いましょう。室内で遊ぶスペースを確保し、フローリングには滑り止めマットを敷くことをおすすめします。
抜け毛はどのくらい?
ダブルコートのため、抜け毛は多めです。特に春と秋の換毛期には大量に毛が抜けます。毎日のブラッシングと、こまめな掃除が必要になることを覚悟しておきましょう。ただ、定期的なブラッシングは愛犬とのスキンシップにもなりますよ。
子どもがいる家庭でも大丈夫?
基本的にはフレンドリーな性格なので、子どもがいる家庭でも飼育可能です。ただし、ポメラニアンは骨が細くデリケートなので、小さな子どもには「優しく接すること」を教えてあげてください。また、突然の大きな動きや声に驚いて噛んでしまうこともあるため、大人の目の届く範囲で一緒に過ごすようにしましょう。
他の犬や猫と一緒に飼える?
社交的な性格のポメラニアンは、他のペットとも比較的うまくやっていける犬種です。ただし、自分より大きな犬にも向かっていく勇敢さがあるため、大型犬との同居では怪我をしないよう注意が必要。猫との同居も、子犬のころからの慣らしがあればスムーズにいくことが多いです。
まとめ
ポメラニアンの特徴や性格、習性について詳しく紹介してきました。最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- ふわふわの被毛と愛らしい顔立ちが魅力の小型犬
- 活発で好奇心旺盛、賢くしつけがしやすい
- 甘えん坊だが自立心もあり、留守番が比較的得意
- 警戒心が強く吠えやすいため、早期の社会化が重要
- ダブルコートで抜け毛が多い。週1〜2回のブラッシングを
- 膝蓋骨脱臼や気管虚脱など、かかりやすい病気に注意
ポメラニアンは、飼い主に深い愛情を注いでくれる素敵なパートナーになれる犬種です。小さな体に大きなエネルギーを秘めており、一緒にいると毎日が楽しくなること間違いなし。吠え癖への対策やお手入れの手間はありますが、その愛らしさと賢さで、きっとあなたの心を癒してくれるでしょう。
ポメラニアンとの暮らしを検討している方は、この記事を参考に、素敵な出会いを見つけてくださいね。

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