この記事は、公開されている情報や犬に関する一般的な知見をもとにWANLABが独自にリサーチ・編集しています。できる限り正確な内容を心がけていますが、情報が古くなっている場合や個体差によって当てはまらない場合もあります。健康やしつけに関する判断は、必要に応じて獣医師や専門家にもご相談ください。

犬の耳からいつもと違う臭いがすると、「耳掃除が足りないのかな」と思いがちです。けれど、強い臭いは単なる汚れだけでなく、耳の中の炎症、細菌や酵母の増えすぎ、アレルギー、湿気、異物などが関わっていることがあります。
この記事では、犬の耳が臭いときに見たいポイント、家庭でできるケアの範囲、動物病院に相談したいサインを整理します。診断や治療を家庭で決めるためではなく、「いつもの耳」と「受診したほうがよい耳」を分けて見るためのガイドとして読んでください。
耳の臭いでまず見るポイント
健康な犬の耳にも、皮脂や耳あかによる軽いにおいはあります。注意したいのは、いつもより急に臭いが強い、片耳だけ臭い、耳を触ると嫌がる、頭をよく振る、赤みや腫れがある、黒っぽい耳あかや湿った分泌物が増えた、といった変化です。
| 見える変化 | 考えたいこと | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 軽い耳あかと少しのにおい | 体質や耳の形、湿気の影響 | 外側を観察し、必要に応じて獣医師推奨の洗浄剤でケア |
| 強い臭い、赤み、かゆみ | 外耳炎、細菌・酵母の増殖、アレルギーなど | 早めに動物病院へ相談 |
| 痛がる、耳だれ、腫れ、出血 | 炎症が強い、傷、異物、中耳への広がりの可能性 | 自己判断で洗わず受診 |
| ふらつき、首の傾き、聞こえにくそう | 中耳・内耳のトラブルも疑う | できるだけ早く受診 |
臭いの原因は「耳あか」だけではない
犬の耳の臭いで多いのが、外耳炎に関連する変化です。外耳炎は耳の外側から鼓膜までの耳道に炎症が起きる状態で、かゆみ、痛み、赤み、分泌物、頭を振るしぐさなどを伴うことがあります。酵母や細菌が関わることもありますが、それだけが原因とは限りません。
背景には、湿気、耳道に水分が残りやすい生活、垂れ耳や耳毛の多さ、アレルギー、皮膚トラブル、耳ダニ、異物、過度な耳掃除による刺激などが重なることがあります。とくに再発を繰り返す場合は、「耳だけの問題」と決めつけず、皮膚やアレルギーを含めて見てもらうことが大切です。

家庭でできる耳チェックとケア
家庭でできるのは、まず「観察」と「外側を清潔に保つこと」です。耳の内側をめくって、赤み、腫れ、耳あかの量、湿り気、左右差、犬が嫌がるかを見ます。においが軽く、痛みや強いかゆみがない場合は、獣医師に合う頻度や洗浄剤を相談したうえでケアすると安心です。
耳掃除では、綿棒を耳道の奥に入れないことが大切です。汚れを奥へ押し込んだり、皮膚を傷つけたりすることがあります。見える範囲をガーゼやコットンでやさしく拭く、洗浄剤を使う場合も犬用・獣医師推奨のものにする、嫌がる日は無理をしない、というくらいにとどめましょう。
水遊びやシャンプーの後は、耳のまわりをよく乾かします。垂れ耳の犬、耳毛が多い犬、過去に外耳炎を繰り返した犬は、湿気がこもりやすいことがあります。ただし、予防のために毎日強く洗うようなケアは刺激になることもあるため、頻度はその子の耳の状態に合わせるのが基本です。

受診したほうがよいサイン
強い臭いが続く、かゆみが強い、頭を何度も振る、耳を床や家具にこすりつける、耳を触ると痛がる、赤みや腫れがある、黒い・黄色い・湿った分泌物が増えた場合は、家庭の耳掃除だけで様子を見続けないほうが安全です。
また、首を傾ける、ふらつく、目が揺れる、聞こえにくそう、顔の動きに左右差があるといった変化は、中耳や内耳のトラブルが関わることもあります。こうした症状があるときは、できるだけ早く動物病院に相談してください。
外耳炎の治療は、原因に合わせて耳の検査、耳垢の顕微鏡検査、必要に応じた洗浄や点耳薬などを組み合わせます。酵母だけが関わる外耳炎に対する処方薬もありますが、どの薬が必要かは診断によって変わります。以前もらった薬を自己判断で使い回すのは避けましょう。

繰り返すときは生活メモが役立つ
耳の臭いを繰り返す犬では、いつ臭いが強くなるかをメモしておくと診察時に役立ちます。シャンプー後、水遊び後、花粉の季節、フードを変えた後、トリミング後など、きっかけが見えることがあります。
耳は小さな部位ですが、皮膚やアレルギー、耳の形、生活環境が重なって不調が出やすい場所です。臭いを消すことだけを目的にせず、「なぜ臭うのか」を見つけるつもりで、愛犬に合ったケア方法を獣医師と一緒に整えていきましょう。
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参考情報
- American Kennel Club「Dog Ear Infections: Symptoms, Causes, Treatment, and Prevention」
- Merck Veterinary Manual「Otitis Media and Interna in Animals」
- U.S. Food and Drug Administration「FDA Approves Treatment for Yeast Ear Infections in Dogs」
