短い足で一生懸命歩く姿がたまらなく愛らしい——ミニチュアダックスフンドは、日本で常に人気犬種ランキングの上位に入る、多くの人に愛されている小型犬です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の登録数では、トイプードル、チワワに次ぐ第3位をキープ。その独特な「胴長短足」スタイルと、豊富な毛色バリエーションが魅力で、ドイツ語で「アナグマ犬」を意味する名前の通り、もともとは狩猟犬として活躍していた歴史があります。
でも、ミニチュアダックスフンドって実際どんな性格なの?飼いやすいの?この記事では、ミニチュアダックスフンドの特徴・性格・習性から、飼う前に知っておきたい注意点まで詳しく解説します。
ミニチュアダックスフンドを飼いたい方も、ミニチュアダックスフンドについてもっと知りたい方も、ぜひ参考にしてください。
ミニチュアダックスフンドってどんな犬?基本情報
ミニチュアダックスフンドは、ドイツ原産の小型犬です。名前の「ダックス」はドイツ語でアナグマ、「フント」は犬を意味します。16世紀頃から、地下の巣穴に潜むアナグマやウサギを狩る猟犬として活躍してきました。
もともとはスタンダードサイズのダックスフンドのみでしたが、より小さな獲物を狩るために品種改良が行われ、ミニチュアサイズが誕生。さらに小さなカニンヘンサイズも作出されました。ちなみに「ダックスフンド」と「ダックスフント」の違いは読み方だけで、英語読みがフンド、ドイツ語読みがフントになります。

| 原産国 | ドイツ |
| 体高 | 21〜24cm |
| 胸囲 | オス:32cm超〜37cm以下 / メス:30cm超〜35cm以下 |
| 体重 | 3.5〜5kg(目安) |
| 平均寿命 | 13〜16歳 |
| 被毛 | ダブルコート(スムース・ロング・ワイヤーの3種類) |
| グループ | JKC第4グループ(ダックスフンド) |
ダックスフンドは他の犬種と異なり、体重ではなく「胸囲」でサイズが分類されます。これは、巣穴に潜る猟犬としての適性を重視したためです。生後15ヶ月の時点で胸囲を測定し、スタンダード・ミニチュア・カニンヘンに分類されます。
ミニチュアダックスフンドの外見的特徴
体型・サイズ
ミニチュアダックスフンドの最大の特徴は、なんといっても「胴長短足」のユニークな体型です。体長が体高の約2倍もあるという、他の犬種にはないプロポーションをしています。
この特徴的な体型は、アナグマの細い巣穴に入り込むために作り出されたもの。短い足でも筋肉質でしっかりとした骨格を持ち、見た目以上にパワフルです。面長の顔立ちに大きな垂れ耳、くりっとした瞳がチャームポイントになっています。
3種類の毛質タイプ
ミニチュアダックスフンドには、3種類の毛質タイプがあります。それぞれ異なる犬種との交配で誕生したため、見た目だけでなく性格にも若干の違いがあると言われています。
- スムースヘアー:短く光沢のある毛が密集。ミニチュアピンシャーとの交配で誕生した、ダックスフンドの原型。お手入れが楽で抜け毛も比較的少なめ
- ロングヘアー:長く柔らかい毛質が特徴。スパニエル系の犬種との交配で誕生し、日本で最も人気のあるタイプ。耳や尻尾にふさふさの飾り毛がある
- ワイヤーヘアー:硬くてゴワゴワした毛質。テリア系との交配で誕生し、眉毛と口元のヒゲが特徴的。ドイツでは最も一般的なタイプ

毛色のバリエーション
ミニチュアダックスフンドは、毛色のバリエーションがとても豊富な犬種です。大きく分けて「単色」「バイカラー(2色)」「混色」の3パターンがあります。
- レッド:赤茶色の単色で、ダックスフンドの代表的なカラー。原色カラーで遺伝的疾患が少ないとされる
- ブラックタン:艶やかな黒をベースに、目元や口周り、手足に茶褐色(タン)が入る。まるで眉毛のような模様が愛嬌たっぷり
- チョコタン:チョコレートブラウンをベースに、タンが入るカラー。鼻の色もブラウンになるのが特徴
- クリーム(イエロー):淡いベージュのような優しい色合い。柔らかい印象で人気
- ダップル:ベースカラーに大理石のようなまだら模様が入る。シルバーダップルが特に人気だが、遺伝的疾患のリスクがあるため注意が必要

ミニチュアダックスフンドの性格・気質
明るく活発で遊び好き
ミニチュアダックスフンドは、陽気で好奇心旺盛な性格です。おもちゃで遊ぶのが大好きで、飼い主さんと一緒に過ごす時間をとても喜びます。小型犬ながらエネルギッシュで、散歩や遊びにも積極的に参加してくれますよ。
もともと狩猟犬だったこともあり、穴を掘る・匂いを嗅ぐといったハンティング気質が残っている子も多いです。庭で穴を掘ったり、散歩中に何かの匂いを追いかけたりする姿が見られることもあるでしょう。
飼い主への忠誠心と甘えん坊
ミニチュアダックスフンドは、飼い主さんへの愛情がとても深い犬種です。一度信頼関係を築くと、どこへでもついていきたがる甘えん坊な一面を見せてくれます。抱っこされるのが好きな子も多く、スキンシップをたくさん取りたい方にはぴったりです。
ただし、この忠誠心の強さから「分離不安」になりやすい傾向もあります。飼い主さんがいなくなると不安になって吠えてしまうこともあるので、子犬の頃からお留守番の練習をしておくことが大切です。
勇敢で警戒心が強い
小さな体でアナグマに立ち向かっていた狩猟犬の血を引くミニチュアダックスフンドは、とても勇敢な性格をしています。自分より大きな相手にも怯まずに向かっていく子も少なくありません。
この勇敢さは、番犬としての素質にもつながっています。知らない人や物音に対して敏感に反応し、吠えて知らせてくれることも。ただし、吠え癖がつきやすい犬種でもあるため、しつけには注意が必要です。
頑固でマイペースな一面も
賢くて意志が強いミニチュアダックスフンドには、頑固でマイペースな一面もあります。一度「こうだ」と決めたことは、なかなか譲らないこともあるかもしれません。
しつけの際には根気強さが求められますが、これは決して「性格が悪い」わけではありません。飼い主さんが愛情を持って一貫した態度で接すれば、とても従順で素晴らしいパートナーになってくれますよ。
毛質タイプ別の性格傾向
ミニチュアダックスフンドは、毛質タイプによって交配された犬種が異なるため、性格にも若干の違いがあると言われています。もちろん個体差が大きいので、あくまで傾向として参考にしてくださいね。
| 毛質タイプ | 性格傾向 | 交配犬種 |
|---|---|---|
| スムースヘアー | 活発で好奇心旺盛、警戒心が強く飼い主に忠実。ダックスフンド本来の猟犬気質が最も強く残っている | ミニチュアピンシャー |
| ロングヘアー | 穏やかで温厚、甘え上手で友好的。日本で最も人気があり、初心者にも飼いやすい | スパニエル系 |
| ワイヤーヘアー | 気が強く独立心旺盛、テリア気質がある。関係が築ければ従順なパートナーに | テリア系(シュナウザーなど) |
オスとメスの性格の違い
ミニチュアダックスフンドは、オスとメスで性格に違いがあると言われています。ただし、これも個体差が大きいので、実際に会って相性を確かめることが大切です。
| オス | メス | |
|---|---|---|
| 体格 | 骨格がしっかり、やや大きめ | オスより小柄で華奢 |
| 性格傾向 | 活発で社交的、甘えん坊 | 落ち着きがあり、独立心が強め |
| しつけ | 遊び好きで気が散りやすいことも | 比較的集中しやすい傾向 |
性別による性格の違いはあくまで傾向です。実際には育った環境や個々の性格によって大きく異なるため、実際に会って相性を確かめるのが一番です。
ミニチュアダックスフンド特有の習性・行動
穴掘り・匂い追跡
狩猟犬としてのDNAが残っているミニチュアダックスフンドは、穴を掘ったり匂いを追いかけたりする習性があります。庭に穴を掘ってしまったり、散歩中に夢中で匂いを嗅いで動かなくなったりすることも。
これは本能的な行動なので、完全にやめさせるのは難しいですが、散歩では匂いを嗅ぐ時間を設けたり、庭には掘っても良いスペースを作ったりすることで、上手に付き合っていくことができます。

吠え声の特徴
ミニチュアダックスフンドは、体の大きさに似合わず声量のある吠え声を持っています。これは、巣穴に潜った際に獲物の居場所を知らせるために必要だった能力が受け継がれているためです。
チャイムの音や知らない人に対して吠えやすい傾向があるため、マンションなどの集合住宅で飼う場合は、子犬の頃から吠え癖がつかないようにしつけることが重要になります。
換毛期の抜け毛
ミニチュアダックスフンドはダブルコート(二重構造の被毛)なので、春と秋の換毛期にはかなりの量の毛が抜けます。特にロングヘアーは毛量が多いため、換毛期のお手入れは念入りに行う必要があります。
日頃からブラッシングを習慣にしておくと、抜け毛対策になるだけでなく、皮膚の健康維持やスキンシップにも効果的ですよ。
ミニチュアダックスフンドを飼う上での注意点
しつけのポイント
ミニチュアダックスフンドは賢い犬種なので、しつけの能力は十分にあります。ただし、頑固な一面があるため、根気強く一貫した態度で接することが大切です。
特に重要なのは「吠え癖」のしつけ。子犬の頃からさまざまな人・犬・環境に慣れさせる社会化トレーニングを行い、必要以上に警戒しなくても大丈夫だと教えてあげましょう。叱るよりも、良い行動をしたときに褒めてあげるポジティブな強化が効果的です。
運動量の目安
ミニチュアダックスフンドは、小型犬としては運動量が多い犬種です。毎日の散歩は欠かさず行いましょう。
1日2回、各20〜30分程度の散歩が理想的。ただし、腰に負担がかかりやすい体型なので、激しい運動や階段の上り下り、ジャンプは控えましょう。
腰への負担対策
胴長短足という特徴的な体型は、かわいい反面、腰に大きな負担がかかります。椎間板ヘルニアを予防するためにも、日常生活での配慮が必要です。
- フローリングには滑り止めマットやカーペットを敷く
- ソファやベッドにはスロープやステップを設置
- 抱っこは腰をしっかり支えて行う
- 適正体重を維持し、肥満を防ぐ
- 足裏の毛は肉球にかからないようカット
- 階段の上り下りをさせる
- 高い場所からのジャンプ
- 後ろ足だけで立ち上がる「ちょうだい」のポーズ
- 首輪にリードをつけて強く引っ張る
かかりやすい病気
ミニチュアダックスフンドは以下の病気にかかりやすいと言われています。定期的な健康診断で早期発見・早期治療を心がけましょう。
- 椎間板ヘルニア:背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気。ダックスフンドは「軟骨異栄養犬種」で、特に発症リスクが高い。後ろ足のふらつき、抱っこで痛がるなどの症状に注意
- 進行性網膜萎縮症(PRA):網膜が徐々に萎縮し、視力が低下していく遺伝性疾患。物にぶつかる、暗い場所で動けないなどの症状が見られる
- 外耳炎:垂れ耳で耳の中が蒸れやすいため、炎症を起こしやすい。耳を掻く、頭を振るなどの症状に注意
- 皮膚疾患:アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎になりやすい傾向がある
- クッシング症候群:副腎皮質ホルモンの過剰分泌による病気。多飲多尿、脱毛、お腹が膨らむなどの症状
ミニチュアダックスフンドの椎間板ヘルニア発症率は、他の犬種と比べて圧倒的に高いことがわかっています。2〜7歳の若い時期に発症することも多いため、予防を意識した生活環境づくりが大切です。症状が軽いうちに治療すれば回復する可能性が高いので、異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
ミニチュアダックスフンドに関するよくある質問
初心者でも飼える?
基本的にはしつけがしやすく、初心者にも飼いやすい犬種です。特にロングヘアーは穏やかな性格の子が多く、おすすめです。ただし、吠え癖や椎間板ヘルニアの予防については、事前にしっかり知識をつけておくことをおすすめします。
マンションでも飼える?
小型犬なのでスペース的には問題ありませんが、吠え声が大きいため注意が必要です。子犬の頃からしっかりしつけを行い、無駄吠えを防ぐことができれば、マンションでも問題なく飼えます。ペット可物件かどうかも事前に確認しましょう。
抜け毛はどのくらい?
ダブルコートなので、換毛期(春・秋)にはかなりの量の毛が抜けます。スムースヘアーは比較的抜け毛が少なめですが、ロングヘアーは毛量が多いため、こまめなブラッシングが必要です。毛が絡まりやすいので、毎日のお手入れを習慣にしましょう。
子どもがいる家庭でも大丈夫?
友好的で遊び好きな性格なので、子どもがいる家庭にも向いています。ただし、腰に負担がかかりやすい体型のため、小さなお子さんには「抱っこの仕方」や「無理に引っ張らない」などのルールを教えてあげることが大切です。
多頭飼いに向いている?
ミニチュアダックスフンドは仲間意識が強く、多頭飼いに向いている犬種と言われています。先住犬との相性にもよりますが、社交的な性格なので、他の犬とも仲良くできる子が多いです。
まとめ
ミニチュアダックスフンドの特徴や性格、習性について詳しく紹介してきました。最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 胴長短足のユニークな体型は、アナグマ狩りのために作られた狩猟犬の名残
- 毛質は3種類(スムース・ロング・ワイヤー)で、それぞれ性格傾向が異なる
- 明るく活発で甘えん坊だが、勇敢で頑固な一面もある
- 吠え癖がつきやすいので、子犬期からの社会化としつけが重要
- 椎間板ヘルニアになりやすいため、腰への負担を軽減する生活環境づくりが必須
- 平均寿命は13〜16歳と、小型犬の中でも比較的長生き
ミニチュアダックスフンドは、愛情深く遊び好きで、飼い主さんとの時間を何より大切にする犬種です。腰のケアや吠え癖のしつけなど、気をつけるべきポイントはありますが、その分たくさんの愛情と笑顔をくれる素晴らしいパートナーになってくれることでしょう。
ミニチュアダックスフンドとの暮らしを検討している方は、この記事を参考に、素敵な出会いを見つけてくださいね。

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