「犬なら泳げるでしょ?」そう思っている方も多いかもしれません。でも、フレンチブルドッグに限っては、この常識が当てはまらないんです。
実はフレンチブルドッグは、犬種の中でもトップクラスに泳ぎが苦手な犬。その理由は、ずばり「沈むから」。大きな頭、筋肉質な上半身、短い手足——この愛らしい体型が、水の中では致命的なバランスの悪さを生み出してしまうのです。
この記事では、フレンチブルドッグが泳げない理由を体型と呼吸の観点から詳しく解説し、それでも水遊びを楽しむための安全対策をご紹介します。夏場のプール遊びや水辺のレジャーを考えている飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

フレンチブルドッグが泳げない理由
「犬かき」という言葉があるように、多くの犬は本能的に泳ぐことができます。でも、フレンチブルドッグは違います。なぜ彼らは泳ぎが苦手なのでしょうか?その理由は大きく分けて3つあります。
理由①:頭が大きく重い
フレンチブルドッグの最大の特徴である大きな頭。あの愛嬌たっぷりの顔は、実は水中では大きなハンデになります。頭蓋骨が大きく幅広いため、体に対して頭の重量比率がとても高いんです。
水に浮くためには、体全体のバランスが重要。でも、フレンチブルドッグは頭が重すぎるため、まるでシーソーのように頭から沈んでしまうのです。必死に犬かきをしても、顔を水面上に保つのが精一杯。むしろ頑張れば頑張るほど沈んでしまうこともあります。
理由②:筋肉質で重心が前方にある
フレンチブルドッグは「ムチムチ」「ずんぐりむっくり」と表現されることが多いですよね。実際、彼らの体は非常に筋肉質でがっしりしています。特に首から胸にかけてが太く、体重の多くが体の前方に集中しているんです。
この「前重心」の体型が、水中では大問題。レトリーバーのような泳ぎが得意な犬種は、体重が比較的均等に分散されていて水平姿勢を保ちやすいのですが、フレブルは前のめりに沈んでしまいます。さらに、短い手足では十分な推進力を生み出せず、浮力を得ることも難しいのです。
理由③:鼻が短く呼吸が取りにくい
フレンチブルドッグは「短頭種」と呼ばれる、鼻が短い犬種です。陸上でも呼吸がしにくい構造を持っているのに、水中ではさらに深刻な問題になります。
鼻が短いということは、水面ギリギリで泳いでいても、すぐに鼻や口に水が入ってしまうということ。普通の犬なら鼻先を水面から出して呼吸できますが、フレブルは顔全体を上げないと呼吸ができません。でも、重い頭を上げようとすればするほど、体のバランスが崩れて沈んでしまう——まさに悪循環なのです。
フレンチブルドッグが水に入ると「呼吸が上手く取れず、一瞬の出来事で溺れてしまう危険性がある」と言われています。泳ぎの練習をさせる際は、必ず飼い主さんが手の届く距離でサポートしてあげてください。

他の泳げない犬種との比較
フレンチブルドッグだけでなく、泳ぎが苦手な犬種は他にもいます。共通しているのは「体型のバランス」と「呼吸器の構造」です。
| 犬種 | 泳ぎが苦手な理由 |
|---|---|
| フレンチブルドッグ | 頭が大きく重い、前重心、短頭種で呼吸困難 |
| イングリッシュブルドッグ | フレブル以上に重心が前方、体重も重い |
| パグ | 短頭種で呼吸困難、体に対して頭が大きい |
| ダックスフンド | 胴長短足で推進力が出ない |
| コーギー | 短い足で体を支えきれない |
特にフレンチブルドッグとイングリッシュブルドッグは、「泳ぎが最も苦手な犬種」として知られています。もし水辺で遊ばせる機会があるなら、他の犬種以上に注意が必要です。
フレンチブルドッグでも水遊びは楽しめる?
「泳げないなら、水遊びは諦めるしかないの?」——いいえ、そんなことはありません!適切な対策をすれば、フレンチブルドッグも安全に水遊びを楽しむことができます。
ライフジャケットは必須アイテム
水深のある場所でフレブルを遊ばせるなら、犬用ライフジャケットは絶対に必要です。ライフジャケットを着用することで、重い頭を支える浮力が得られ、水中でのバランスが格段に良くなります。
フレンチブルドッグ用のライフジャケットを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 浮力が高いもの:海外製のものは浮力が高い傾向があり、フレブル向きと言われています
- 首まわりがしっかりフィットするもの:ゆるいと泳いでいる最中に前脚が挟まり危険です
- あご乗せパッド付き:顔を水面上に保ちやすくなります
- 背中に持ち手(ハンドル)付き:緊急時にすぐ引き上げられます
犬用ライフジャケットは「救命胴衣」ではなく、あくまで「泳ぎの補助」が目的です。着用しているからといって過信せず、常に愛犬から目を離さないようにしましょう。
浅いプールから始める
いきなり深い水に入れるのはNG。まずは足がつく浅いプールや、お風呂くらいの水深から始めましょう。水に慣れさせながら、少しずつ深さを増やしていくのがコツです。
家庭用のビニールプールは、フレブルの水遊びデビューにぴったり。暑い夏場に水浴びさせてあげるだけでも、体温調節が苦手なフレブルにとっては大きな助けになりますよ。

常に手の届く距離で見守る
水辺でフレブルを遊ばせる際は、絶対に目を離してはいけません。フレブルは一瞬で溺れる危険があるため、すぐに手を差し伸べられる距離にいることが大切です。
また、フレブルは興奮しやすい一面があります。水遊びに夢中になりすぎると、自分の限界を超えて疲労してしまうことも。定期的に休憩を入れながら、愛犬の様子をよく観察してあげてください。
水遊び中のトラブルと対処法
溺れそうになったら
フレブルが水中でパニックになったり、顔が水に沈んでしまったりしたら、すぐにライフジャケットのハンドルを掴んで引き上げましょう。落ち着いて対処することが大切です。
水を飲んでしまった場合は、頭を下げて水を吐き出させ、呼吸が落ち着くまで様子を見てください。大量に水を飲んでしまった場合や、ぐったりしている場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
熱中症にも注意
水遊びは涼しいイメージがありますが、フレブルは水中でも熱中症になるリスクがあります。短頭種は体温調節が苦手なため、興奮して運動量が増えると体温が急上昇してしまうのです。
- 呼吸が異常に荒くなる
- よだれが大量に出る
- 舌や歯茎が青紫色になる(チアノーゼ)
- ぐったりして動かなくなる
これらの症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移動させ、体を冷やしながら動物病院へ向かってください。
水遊びのメリット
注意点ばかり並べてしまいましたが、適切な対策をすれば水遊びにはたくさんのメリットがあります。
- 暑さ対策:体温調節が苦手なフレブルの体を効率的にクールダウンできる
- ダイエット効果:水の抵抗で陸上より消費カロリーが増え、運動不足解消に
- 関節への負担軽減:水の浮力で腰や関節への負担が少なく、リハビリにも効果的
- ストレス発散:暑くて散歩に行けない日でも、室内プールなどで運動できる
特に夏場は熱中症リスクが高く、散歩に行けない日が続くこともありますよね。そんなときこそ、安全な環境での水遊びは良いストレス発散になります。
フレンチブルドッグの水遊びに関するよくある質問
フレブルは練習すれば泳げるようになる?
残念ながら、体型の問題は練習で克服することはできません。ただし、水への恐怖心を減らしたり、ライフジャケット着用での動き方に慣れさせたりすることは可能です。「泳げるようになる」よりも「安全に水遊びを楽しめるようになる」ことを目標にしましょう。
海や川に連れて行っても大丈夫?
プールよりもリスクが高いため、基本的にはおすすめしません。波や流れがあると、フレブルはすぐにパニックになってしまいます。どうしても海や川に行く場合は、必ずライフジャケットを着用し、波打ち際の浅い場所だけで遊ばせるようにしましょう。
お風呂は大丈夫?
足がつく深さであれば問題ありません。むしろ、お風呂でシャンプーすることはフレブルの皮膚の健康を保つために大切です。ただし、シャンプー中に顔に水がかかると嫌がる子も多いので、顔周りは別途ウェットティッシュなどで拭いてあげると良いでしょう。
ドッグプール施設は利用できる?
多くのドッグプール施設ではライフジャケットの着用が義務付けられていますし、スタッフが見守ってくれるので比較的安心です。初めて水遊びをさせるなら、こうした専門施設を利用するのもおすすめ。事前に短頭種の受け入れ可否を確認しておきましょう。
水を怖がる場合はどうすればいい?
無理に水に入れるのは逆効果です。まずは水が入った洗面器に足をつけるところから始め、少しずつ慣れさせていきましょう。おやつで釣りながら、「水=楽しいこと」という印象をつけてあげることが大切です。どうしても嫌がる場合は、水遊びにこだわらず、他の涼しい過ごし方を考えてあげてくださいね。
まとめ
フレンチブルドッグが泳げない理由と、安全に水遊びを楽しむための対策について解説してきました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- フレブルは頭が大きく重いため、水に入ると頭から沈んでしまう
- 筋肉質で前重心の体型が、水中でのバランスを悪くしている
- 短頭種で鼻が短いため、水面で呼吸を取るのが難しい
- 水深のある場所では、犬用ライフジャケットの着用が必須
- 常に手の届く距離で見守り、絶対に目を離さない
- 適切な対策をすれば、暑さ対策やダイエットに水遊びは効果的
フレンチブルドッグは泳ぎが苦手ですが、だからといって水遊びを完全に諦める必要はありません。ライフジャケットを着用し、飼い主さんがしっかり見守ってあげれば、安全に楽しむことができます。
愛するフレブルとの夏の思い出づくりに、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。くれぐれも安全第一で、楽しい水遊びを!

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