この記事の要点
コーギーは明るく人が好きで、賢い犬です。一方で、牛を追って働いてきた牧畜犬なので、警戒してよく吠える、動くものを追う、抜け毛が多いといった面もあります。小さくても、運動と頭を使う遊びが毎日必要な犬だと考えて迎えましょう。
この記事で分かること:性格と基本データ/飼う前に確認したいこと/気をつけたい病気と、名前の由来・歴史
2026年9月更新|犬種団体や大学などの資料をもとにまとめています
短い足で元気に走る姿が人気のコーギー。かわいい見た目から「小さくて飼いやすい犬」と思われがちですが、もともとはイギリスのウェールズで牛を追っていた働く犬です。この記事では、日本で「コーギー」と呼ばれることの多いウェルシュ・コーギー・ペンブロークを中心に、性格から病気、歴史までをまとめます。
コーギーの基本データ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 原産 | イギリス(ウェールズ) |
| 肩までの高さ(体高) | 約25〜30cm |
| 体重 | オス10〜12kg、メス9〜11kgほど |
| 寿命 | 12〜15年ほど |
| 毛 | 密な下毛と、少し粗く長い上毛の二層。抜け毛が多い |
| 毛色 | レッド、セーブル(毛先が黒っぽい茶色)、フォーン(淡い黄褐色)、ブラック・アンド・タン。白い模様が入ることもある |
| 運動 | 1日1時間ほどまで(年齢や体調に合わせて調整) |
| 気をつけたい病気 | 椎間板ヘルニア、変性性脊髄症、股関節形成不全、目の病気など |
体重と寿命は、基準によって少し違う
- 体重:日本のジャパンケネルクラブも使っている国際的な基準では、オス10〜12kg、メス9〜11kgです。アメリカの基準では、オス約13.6kg以下、メス約12.7kg以下と少し重めです。どちらも見た目の基準なので、その子にとってちょうどよい体重は、肋骨を触って分かるか、上から見て腰にくびれがあるかなどの体つきを見ながら、獣医師と決めましょう。
- 寿命:「12〜15年ほど」「平均12〜13歳」「12年以上」と、資料によって幅があります。
性格は明るく人が好き。牧畜犬らしさも残っている
コーギーは外向的で人なつこく、愛情深いのにべったりしすぎない犬とされています。賢い犬が多く、合図を覚えるのが得意な犬もたくさんいます。
一方で、牛を追って働いてきた歴史から、次のような行動が出やすい犬もいます。
- 警戒してよく吠える:来客や物音があると、声で知らせようとします。
- 動くものを追う:走り回る子どもなどを追いかけることがあります。
- 足元に回り込む・かかとを噛もうとする:牛のかかとを軽く噛んで動かしていた仕事の名残と考えられています。
ただし、行動の出方には個体差があり、子犬の頃の経験や家での過ごし方でも変わります。
よくある誤解
- 「小さい犬だから、運動は少なくていい」
体は小さくても、コーギーは働く犬です。散歩に加えて、おやつを隠して探させる遊びや、おすわり・待ての練習など、頭を使う時間も取り入れましょう。 - 「コーギーは凶暴な犬だ」
犬種の基準は、友好的で攻撃的でない気質を理想としています。凶暴な犬種とはいえません。 - 「本能だから、追いかけや足元を噛む癖は直らない」
追いかけたくなる相手(走る子どもなど)から離れた場所で、落ち着いていられた瞬間にほめる練習を重ねると、減らしやすくなります。大声で叱るなど罰を使うやり方は、不安や攻撃的な行動と関係があると報告されているので、ごほうびを使った練習を基本にしましょう。噛んでけがをさせる、なかなか減らないときは、獣医師やトレーナーに相談してください。
来客に吠える場合は犬が来客に吠える理由、子犬の甘噛みは子犬の甘噛みがひどい理由も参考にしてください。
飼う前に確認したいこと
コーギーの「飼いやすさ」は、次のことを毎日続けられるかで決まります。
- 散歩と、頭を使う遊びの時間を毎日とれる
- 抜け毛が多いので、週に数回のブラッシングと、こまめな掃除ができる
- 吠えやすさを考えて、住まいの防音や近所への配慮ができる
- 太りすぎないよう、ごはんを量って体重を管理できる
- 10kg前後の体を抱っこしたり、年を取ってから歩くのを手伝ったりできる
- 背中を守るため、滑りにくい床やソファのステップを用意できる
- ごほうびを使ったしつけを、家族みんなで続けられる
コーギーは、背骨のクッション(椎間板)が若いうちから傷みやすい体質の犬種です。抱っこの仕方や段差の対策は、コーギーの背中を守るために、今日からできることで詳しく紹介しています。
気をつけたい病気
ここで紹介する病気に、すべての子がなるわけではありません。親犬の検査を確かめ、体重を管理し、変化に早く気づくことが大切です。
椎間板ヘルニア
椎間板が傷んで、神経を押す病気です。コーギーは、なりやすい犬種の一つとされています。早く受診するほど、よい結果につながりやすい病気です。
- 立てない・歩けない、後ろ足を引きずる
- おしっこが出ない
- 背中や首を痛がる、抱くとキャンと鳴く、背中を丸めて震える
- 動きたがらない、ふらつく(どんどん悪くなるときは、すぐに連絡)
受診までは、ジャンプや階段をさせず、動き回れない場所で安静にさせます。運ぶときは、背中をまっすぐに保って抱えます。痛みで噛むことがあるので、タオルで包むなど気をつけましょう。迷ったときは、まず動物病院に電話で相談してください。
変性性脊髄症
背骨の中の神経(脊髄)が少しずつ傷み、後ろ足から力が入らなくなっていく病気です。8歳ごろ以降に、片方の後ろ足のふらつきや、足先を擦って歩くことから始まることが多く、半年から1年ほどで歩けなくなることが多いとされています。治す方法はまだありませんが、リハビリで進み方をゆるやかにできる場合があり、体重管理やスロープ・補助具で暮らしを支えることができます。
遺伝子検査で「発症しやすい」という結果が出ても、必ず病気になるわけではありません。また、椎間板ヘルニアなど、治療できる病気でも似た症状が出ます。歩き方の変化を自己判断せず、動物病院でみてもらいましょう。急に悪くなったときは、すぐに受診してください。年齢とともに少しずつ変わってきたときは、犬の足腰が弱ってきたサインも参考にしてください。
股関節形成不全・目の病気など
股関節形成不全は、股関節がゆるく不安定なために、痛みや歩き方の変化が出る病気です。アメリカのペンブローク愛好団体は、親犬になる犬に股関節と目の検査を勧めています。子犬を迎えるときは、ブリーダーに次のことを確かめておくと安心です。
- 親犬が股関節と目の検査を受けているか
- 変性性脊髄症の遺伝子検査をしているか、その結果
- 血が止まりにくくなる病気(フォン・ヴィレブランド病)の検査をしているか
- 親犬の性格(人や犬への接し方、吠えやすさ)
牛を追って働いた歴史と、名前の由来
コーギーは、ウェールズの農家で何でもこなす働き者でした。牛を牧草地へ連れて行って連れ戻す、ネズミやキツネから農場を守る、ガチョウを市場まで追っていくといった仕事をしていたと伝えられています。牛のかかとを軽く噛んで動かす働き方は、英語で「ヒーラー(heeler)」と呼ばれます。
起源ははっきりしていませんが、12世紀の初めにはすでにいたと考えられています。バイキングが連れてきたスウェーデンの牧畜犬と関係があるという説もあります。足が短い理由は、コーギーの足が短いのはなぜ?で詳しく紹介しています。
「コーギー」という名前の由来
よく知られているのは、ウェールズ語の「cor(小さい)」と「ci(犬)」を合わせて「小さい犬」とする説です。ただし、これが唯一の答えではなく、「見張る」という意味と結びつける説もあります。名前には、体の小ささだけでなく、農場で働いていた犬の歴史が込められているのかもしれません。
ペンブロークとカーディガンの違い
コーギーには、ペンブロークとカーディガンの2つの犬種があります。名前はそれぞれ、ウェールズの地方の名前から来ています。昔は一緒に繁殖されていましたが、今は別の犬種です。日本で登録されているコーギーは、ほとんどがペンブロークです。
| ペンブローク | カーディガン | |
|---|---|---|
| しっぽ | 短いか、ない子をよく見かける(生まれつき短い場合と、子犬のうちに切っている場合がある)。しっぽを切ることを制限している国では、長い子もいる | 長い |
| 胴と前足 | カーディガンより胴が短め | ペンブロークより胴が長く、前足が少し曲がっている |
| 毛色 | レッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タン。白い模様が入ることもある | ブルー・マール(灰色がかったまだら)やブリンドル(しま模様)もある |
| 日本での登録数(2025年) | 4,665頭 | 20頭 |
ペンブロークは、イギリス王室で飼われたことでイギリスでの人気が高まり、広く知られるようになりました。
よくある疑問
- オスとメスで性格は違いますか?
-
性別だけで性格が決まるわけではなく、親犬の気質や、子犬の頃の経験、家での過ごし方の影響も大きいと考えられています。迎える前に、その子や親犬の様子をよく見ておくことが大切です。
- コーギーは寿命が短いのですか?
-
12〜15年ほどとされています。長く元気に過ごすために、体重管理と、背中や足腰の変化に早く気づくことを心がけましょう。
この記事は公開情報をもとにWANLABが編集した一般情報です。健康や行動に関する判断は、必要に応じて獣医師や専門家へご相談ください。
参考情報(出典18件)
- 国際畜犬連盟(FCI):Welsh Corgi Pembroke(犬種標準 No.39)
- ジャパンケネルクラブ:ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ジャパンケネルクラブ:犬種別犬籍登録頭数
- American Kennel Club:Official Standard of the Pembroke Welsh Corgi
- American Kennel Club:Pembroke Welsh Corgi
- American Kennel Club:Pembroke Welsh Corgi History
- American Kennel Club:Herding Group Health Testing Requirements
- Pembroke Welsh Corgi Club of America:Brief History
- Pembroke Welsh Corgi Club of America:Genetics and Health
- Pembroke Welsh Corgi Club of America:PWC FAQs
- Royal Kennel Club:Welsh Corgi (Pembroke)
- Royal Kennel Club:Welsh Corgi (Cardigan)
- Cornell University College of Veterinary Medicine:Degenerative myelopathy
- Cornell University College of Veterinary Medicine:Chondrodystrophy and intervertebral disc disease (CDDY/IVDD)
- American College of Veterinary Surgeons:Canine Hip Dysplasia
- American Animal Hospital Association:Body Condition Scoring Systems
- American College of Veterinary Surgeons:Intervertebral Disc Disease
- American Veterinary Society of Animal Behavior:Humane Dog Training Position Statement(2021年)




