この記事の要点
飲水が増えたら、水を止めず、尿量増加と一組で記録して受診へつなげます。
- 24時間の補充量と残りを測り、こぼしと食事の水分も記録する
- 尿の回数・量、夜間、食欲、体重、薬、気温を一緒に見る
- 飲めない、吐く、ぐったり、意識変化は直ちに病院へ連絡する
この記事は公開情報をもとにWANLABが編集した一般情報です。健康や行動に関する判断は、必要に応じて獣医師や専門家へご相談ください。
器の水がいつもより早くなくなり、夜中にも飲む。暑さのせいかもしれませんが、尿で失った水分を補っている可能性もあります。
多飲で最も避けたいのは、原因が分からないまま水を減らすことです。測定中も、いつでも新鮮な水を飲める状態を保ちます。
飲水と尿を対で見る理由
| 観察軸 | 記録する内容 |
|---|---|
| 入る水 | 24時間の補充量、残量、こぼし、ウェット食 |
| 出る尿 | 回数、量の印象、夜間、失敗、色、血 |
| 代謝の変化 | 食欲、体重、元気、パンティング |
| 背景 | 気温、運動、授乳、フード変更、薬の開始 |
同居犬がいる場合は一時的に別の器で測りますが、水へのアクセスは切りません。測れない場合も『器を空にする回数が増えた』『夜間排尿が始まった』など具体的に残します。
AAHAは糖尿病で血糖が高いと尿へ糖と水が失われ、飲水と排尿が増えると説明します。クッシング症候群でも多尿・多飲が主要徴候です。
多飲多尿は糖尿病だけではありません。腎臓の尿濃縮障害、糖尿病、クッシング症候群など複数の原因があり、血液・尿検査と診察が必要です。

24時間の飲水を安全に測る
- 朝:計量した新鮮な水を十分量用意する
- 補充:足した量を毎回記録し、こぼれを分ける
- 翌朝:残量を測り、補充合計から差し引く
- 食事:ウェット食や水を足した量も記録する
- 継続:まず24時間を測り、別の日も測るかは病院へ相談する
一日の数字が取れても、それだけで正常・異常を断定しません。体重当たりの量、尿の濃さ、気温や食事を獣医師が合わせて解釈します。家庭での水制限試験は危険なので行いません。
受診で確認すること
持続する多飲多尿では、尿の濃さ・糖・感染、血糖、腎臓・肝臓・電解質などを段階的に確認します。処方薬が飲水や尿の変化に関係する場合もあるため、自己中止せず、薬名と開始日を伝えます。
食べているのに体重が減る、食欲が極端に増える、パンティングや腹部膨満、被毛変化、排尿痛、血尿、発熱感が伴う場合は早めに予約します。
早期受診と救急の境界
急に増えた、数日続く、夜間の飲水・排尿や室内での失敗が始まった場合は受診します。子犬、高齢犬、妊娠・授乳中、腎臓・糖尿病などの持病がある犬は早めに相談します。
救急の目安:繰り返し吐く、急にぐったりする、反応が乏しい、水や食べ物を受け付けない場合は、無理に飲食させず直ちに動物病院へ電話してください。処方薬は病院の指示なく増減しません。
よくある質問
- たくさん飲むので器の水を減らしてもよいですか?
-
減らしません。尿で水を失う病気では脱水や電解質異常を悪化させます。自由に飲める状態で量と尿を記録し、受診します。
- 一日の飲水量だけで病気か分かりますか?
-
分かりません。気温、活動、食事水分、体重、薬で変わるため、尿の量・濃さや血液検査と合わせて判断します。
参考情報
- Merck Veterinary Manual:小動物の水要求
- AAHA:犬猫の糖尿病
- AAHA:犬のクッシング症候群
- Merck Veterinary Manual:犬猫の糖尿病とケトアシドーシス
- Merck Veterinary Manual:尿濃縮と尿崩症
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