この記事の要点
トイプードルは賢く、人と一緒に何かをするのが好きな犬です。抜け毛は少ないものの、くるくるの毛が伸び続けるため、ブラッシングと定期的なカットが一生続きます。小さくても、毎日の散歩・遊びと、毛と歯の手入れが欠かせない犬だと考えて迎えましょう。
この記事で分かること:性格と大きさ/毎日・毎週のお世話とカットの選び方/気をつけたい病気と受診の目安
2026年9月更新|犬種団体や大学などの資料をもとにまとめています
くるくるの毛と、ぬいぐるみのような姿で人気のトイプードル。日本のジャパンケネルクラブ(JKC)の2025年の登録数では、プードルが1位で、その大半をトイが占めています。人気の高い犬種ですが、もとは水に入って獲物を運んだ猟犬の仲間です。この記事では、性格から毎日のお世話、病気、歴史までをまとめます。
トイプードルの基本データ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 原産 | フランス(犬種の基準での原産国。起源ははっきりしていない) |
| 肩までの高さ | 24cmを超えて28cm以下、理想は25cm(日本の基準) |
| 体重 | 約1.8〜2.7kg(アメリカの目安) |
| 寿命 | 10〜18年(アメリカの目安)。イギリスでは12年以上 |
| 毛 | 細かく縮れた、くるくるの毛。抜け毛は少ないが、伸び続ける |
| 毛色 | ブラック、ホワイト、ブラウン、グレー、フォーン(淡い黄褐色)などの単色のほか、2色以上の毛色もある |
| 運動 | 散歩と遊びを毎日。量はイギリスの目安で1日1時間ほどまで。年齢や体調に合わせて調整 |
| 気をつけたい病気 | 膝のお皿がずれる病気、目の病気、歯周病、股関節の病気など |
大きさの基準は国によって少し違い、アメリカでは肩までの高さが約25cm以下、イギリスでは28cm未満です。「ティーカップ」「タイニー」は正式な区分ではありません。JKCは、ティーカッププードルは販売のときの呼び名だと説明しています。また、とても小さな個体は健康面に問題を抱えることがあるとして、そうした犬を作って残していくことを勧めていません。
性格は賢く、人と過ごすのが好き
トイプードルは、忠実で覚えがよく、しつけを受け入れやすい犬とされています。人の動きをよく見ていて、合図をすぐに覚える子もたくさんいます。体は小さくても活発で、遊びや練習など、頭と体を使う時間を楽しめる犬です。
ただし、覚えが早いぶん、困る習慣も身につきやすいと考えておきましょう。吠えたらおやつがもらえた、鳴いたら抱っこしてもらえた、という経験も学んでしまいます。家族で合図と対応をそろえ、ごほうびを使って「してほしい行動」を教えていきましょう。知らない人や音への反応、留守番の得意・不得意には個体差があり、子犬の頃の経験や家での過ごし方でも変わります。
よくある誤解
- 「小さいから、散歩はしなくていい」
トイプードルはとても活発な犬です。散歩で外のにおいをかぐ時間に加え、おもちゃを使った遊びや、おすわり・待ての練習など、頭を使う時間も毎日取り入れましょう。 - 「抜け毛が少ないから、手入れは楽」
くるくるの毛は絡みやすく、こまめにブラッシングしないと毛玉になりやすい毛です。抜け毛が少ないことと、手入れが少ないことは別の話です。 - 「トイプードルなら、犬アレルギーは出ない」
アレルギーのもとは、毛だけでなく、唾液やフケ(皮膚のかけら)、おしっこにも含まれ、アレルギーのもとがまったくない犬はいません。オランダで犬約360頭を調べた研究では、「アレルギーが出にくい」とされる犬種の家でも、空気中のアレルギーのもとの量はほかの犬種と変わらず、毛についた量はプードルなどでむしろ多めでした。ただし、測ったのはアレルギーのもとの一種類だけで、症状の出方は人によって違います。アレルギーのある家族がいるときは、迎える前に犬と過ごしてみて、医師に相談しましょう。
飼う前に確認したいこと
トイプードルの「飼いやすさ」は、次のことを何年も続けられるかで決まります。
- 散歩と遊び、短いしつけの練習の時間を毎日とれる
- ブラッシングと歯みがきを毎日の習慣にできる
- 定期的にトリミングサロンへ連れて行ける(送り迎えの時間も含めて)
- ソファやベッドからの飛び降り、抱っこからの落下を防げる。体の小さな犬は、落ちたときに前足の骨を折ることが多いためです
- ごほうびを使ったしつけを、家族みんなで同じやり方で続けられる
- 毎月かかるお金(フード、トリミング代、歯ブラシやブラシなどの道具、ワクチンや予防薬、けがや病気の治療費)を、10年以上払い続けられる
毎月のお金は、住む地域、通うお店、カットの頻度で大きく変わります。迎える前に、近くのトリミングサロンと動物病院で料金を聞いておくと、見通しが立てやすくなります。
毎日・毎週のお世話
すでに一緒に暮らしている方は、まずこのリストを目安にしてください。くわしいやり方は、この後の節で紹介します。
- 毎日:散歩と遊び。散歩では、首や気管に負担をかけにくい胴輪(ハーネス)がすすめられます(咳が出る子は特に)
- 毎日〜1日おき:ブラッシング。毛を分けて、根元までブラシとくしが通るかを確かめる
- 毎日:犬用の歯みがき粉で歯みがき
- 毎日:歩き方、目の様子、咳、口のにおい、食欲をさっと見る。気になる変化は、いつ・どちらの足(目)か・どのくらいの頻度かをメモし、動画も撮っておく
- 毎週:体重を量り、体を手で触って確かめる。毛が多いと太ったのが見た目で分かりにくいため、肋骨に軽く触れられるか、上から見て腰にくびれがあるかを手で確認する
- ふだんから:床に滑りにくいマットを敷き、高い所からの飛び降りを減らす
- 数週間ごと:トリミングサロンでカット。間隔はサロンと相談する
お手入れは毛と歯が中心
ブラッシング
くるくるの毛は、毎日〜1日おきのブラッシングで絡みと毛玉を防ぎます。表面をなでるだけでなく、毛を分けて、根元までブラシやくしが通るかを確かめましょう。脇の下や耳の後ろなどは、特に毛玉ができやすい場所です。プードルのような毛には、細い針金が並んだスリッカーブラシがよく使われます。
毛玉を家でハサミで切るのはやめましょう。皮膚まで切ってしまうことがあります。大きな毛玉や皮膚に張りついた毛玉はトリマーに、赤み・傷・強いかゆみがあるときは獣医師に相談してください。毛玉の見つけ方は犬の毛玉を放置しないためにで詳しく紹介しています。
カットの選び方
テディベア、マッシュなどのカットは、同じ名前でもお店や担当者によって仕上がりが変わることがよくあります。毛を長く残すほど形は自由になりますが、手入れの手間も増えます。見た目だけでなく、家で手入れを続けられるかで選びましょう。アメリカの動物病院の解説では、6週間ごとにカットに出す飼い主が多いとされています。実際の間隔は、毛の伸び方や家での手入れに合わせてサロンと相談してください。
| カットの形 | 主な例 | 家での手入れ |
|---|---|---|
| 顔まわりを丸く残す | テディベア、マッシュ、アフロ | 目元・口元・耳まわりを、くしでとかす手間が増える。食後や散歩後に拭きやすい長さかを確認 |
| 頭の毛を長く残す・結ぶ | 頭の毛を結ぶスタイル(トップノット)、モヒカン | 毛の引っ張り、蒸れ、毛が目に入っていないかを毎日確認。結び直しを嫌がるなら短めに |
| 全体を短めにする | 全身短め、足先短め、サマーカット | 毛玉ができにくく、汚れも落としやすい。ただし手入れがいらなくなるわけではない。日ざし・冷房・擦れから皮膚を守れる長さをトリマーと相談 |
頼むときは、写真を見せながら、残したい長さ、短くしたい場所、目と口のまわり、耳、足先の希望を順に伝えます。毛玉が多いときにどこまで短くしてよいかも、先に相談しておくと安心です。
歯みがき
トイプードルは、歯周病(歯ぐきと歯を支える部分の病気)になりやすい犬種です。イギリスの動物病院の診療記録から2万頭あまりの犬を調べた研究では、トイプードルは雑種の犬に比べて、歯の病気と診断されるリスクがおよそ4倍と、調べた犬種の中で最も高い結果でした。記録に残った診断をもとにした研究なので、数字は目安として受け止めてください。犬用の歯みがき粉を使って毎日みがく習慣をつけると、病気を防いだり軽くしたりできるとされています。子犬のうちから、口に触られることに少しずつ慣らしていきましょう。
気をつけたい病気
ここで紹介する病気に、すべての子がなるわけではありません。親犬の検査を確かめ、体重を管理し、いつもとの違いに早く気づくことが大切です。子犬を迎えるときは、親犬が目の病気の遺伝子検査、目の検査、膝の検査を受けているかをブリーダーに確かめましょう。検査で問題がなくても、将来の病気がすべて防げるわけではありません。
膝のお皿がずれる(パテラ)
正式には膝蓋骨脱臼といい、膝のお皿(膝蓋骨)が正しい位置から外れる病気です。小型犬に多く見られます。数歩だけ後ろ足を上げてスキップするように歩き、すぐに元どおり歩く、といった様子で気づくことが多い病気です。軽いうちは痛がらないこともありますが、年齢とともに関節炎が進み、痛みが出ることがあります。歩き方の見方は小型犬のパテラで詳しく紹介しています。
少しずつ目が見えなくなる病気(PRA)
正式には進行性網膜萎縮といい、目の奥で光を感じる膜(網膜)が少しずつ傷み、見えにくくなっていく遺伝性の病気です。トイプードルとミニチュア・プードルでは、決まったタイプの遺伝子によるものが多いとされています。最初は、暗い所を怖がる、暗い部屋に入りたがらない、薄暗いと物にぶつかる、といった変化で気づくことが多いです。痛みがないため、見逃されやすい病気です。今のところ治す方法はありませんが、暗い所での様子の変化に早く気づいて目の検査を受けることと、迎える前に親犬の遺伝子検査を確かめることが、飼い主にできることです。
股関節の骨が傷む病気(レッグ・ペルテス病)
太ももの骨の先(股関節の球の部分)への血の流れが途絶え、骨が傷む病気です。若い小型犬に起こり、後ろ足をかばう歩き方が少しずつ強くなっていきます。子犬から若い時期に後ろ足の歩き方がおかしいときは、早めに受診しましょう。
気管がつぶれる病気(気管虚脱)
空気の通り道(気管)がつぶれやすくなる病気で、プードルなどの小型犬の、中年以降に多いとされています(若い犬でも起こることがあります)。ガチョウの鳴き声のような「ガーガー」という乾いた咳や、抱き上げたときの咳が目安です。首に負担をかけない胴輪を使う、太らせない、たばこの煙を避けることが、暮らしの中でできる対策です。息が苦しそう、舌が青っぽい、倒れたときは、すぐに受診してください。
子犬の低血糖
体のとても小さな子犬は、食事が足りないと血糖値が下がりやすく、元気がなくなる、ふらつく、震える、倒れる、けいれんするといった症状が出ることがあります。子犬のうちは食事の回数を多めにして、食事を抜かないようにしましょう。こうした様子が見られたら、命に関わることがあるので、すぐに動物病院へ連絡してください。
てんかん
てんかんは、けいれんなどの発作をくり返す病気で、プードルのどのサイズにも見られるとされています。発作が起きたら、続いた時間を測り、できれば動画を撮っておきましょう。発作の記録は、診断や治療を決めるときの大切な手がかりになります。
受診の目安
- 息が苦しそう、舌や歯ぐきが青紫色になる、倒れる
- けいれんが5分以上続く、24時間のうちに何度もくり返す
- 子犬がけいれんした(初めてでも、治まっていても)
- 意識が戻らないまま、次の発作が起きる
- 子犬がぐったりして動かない、ふらついて震えている
- 目を強く痛がる、白目が真っ赤で瞳が開いたまま、急に見えなくなった
- 足を上げたまま下ろさない、足をついて歩けない
- 大人の犬が初めてけいれんを起こした(治まって、ふだんどおりに戻っていても)
- 目が少し赤い、目やにが増えた
- 数歩スキップしても、すぐに元どおり歩き、元気も食欲もある。ただし、くり返すときは、次の予防接種などを待たずに近いうちに受診
- 興奮したときに一度だけ短く咳き込み、すぐ治まって、息づかいもふだんどおり。ただし、ガーガーという咳をくり返すときは受診
口のにおいが強い、歯ぐきから血が出る、硬い物を嫌がる・食べこぼす、歯がぐらつく・歯が茶色く汚れている、といった歯のサインがあるときも、近いうちに受診して口の中をみてもらいましょう。
受診までは、無理に歩かせたり遊ばせたりせず、静かな場所で休ませます。けいれんしている間は、かまれることがあるので口に手を入れず、ぶつかったり落ちてきたりしそうな周りの物をどけて、続いた時間を測ってください。発作のあとは、数分から数時間、ぼんやりしたり、ふらついたり、一時的に目が見えにくくなったりすることがあります。数時間たっても元に戻らないときや、いつもより長いと感じるときは、動物病院に電話してください。迷ったときは、まず動物病院に電話で相談してください。
水辺の猟犬から、暮らしの相棒へ
プードルは、もともと水に入って、撃ち落とした鴨などの水鳥を運んでくる猟犬でした。起源ははっきりしていませんが、ドイツの水猟犬がもとという見方がよく紹介されます。犬種の基準での原産国はフランスで、フランスの国犬としても知られています。18世紀には、スタンダード・プードルを小さくしたミニチュアやトイが、パリなど都市の人々に好まれるようになりました。覚えのよさを生かして、サーカスで芸をする犬としても活躍しました。
ドッグショーで見る、足や腰に毛を丸く残す独特のカットにも理由があります。泳ぎやすいように毛を短く刈りながら、冷たい水から胸や腰、足の関節まわりを守るために、一部の毛を残したのが始まりとされています。
名前の由来
英語の「プードル」は、ドイツ語で「水をはねる」という意味の言葉から来ているとされています。フランス語では「カニッシュ(caniche)」と呼ばれ、こちらは雌の鴨を意味する言葉が語源です。どちらの名前にも、水辺で働いていた歴史が残っています。
ミニチュア・スタンダードとの違い
プードルは1つの犬種で、大きさによって呼び分けています。体つきの基準は共通で、違うのは主に大きさです。
| トイ | ミニチュア | スタンダード | |
|---|---|---|---|
| 肩までの高さ(日本) | 24cm超〜28cm以下 | 28cm超〜35cm以下 | 45cm超〜60cm以下 |
| 肩までの高さ(アメリカ) | 約25cm以下 | 約25cm超〜38cm以下 | 約38cm超 |
日本では、ミニチュアとスタンダードの間に「ミディアム」(35cm超〜45cm以下)もあり、4つのサイズに分けています。
この記事は公開情報をもとにWANLABが編集した一般情報です。健康や行動に関する判断は、必要に応じて獣医師や専門家へご相談ください。
参考情報(出典31件)
- 国際畜犬連盟(FCI):Poodle(犬種標準 No.172)
- ジャパンケネルクラブ:プードル
- ジャパンケネルクラブ:ティーカッププードル、豆柴について
- ジャパンケネルクラブ:犬種別犬籍登録頭数
- American Kennel Club:Official Standard of the Poodle
- American Kennel Club:Poodle (Toy)
- American Kennel Club:Is the Poodle the Right Dog Breed for You?
- American Kennel Club:Poodle History
- Royal Kennel Club:Poodle (Toy)
- Royal Kennel Club:Poodle (Toy) Breed Standard
- Poodle Club of America:Sizes of Poodles
- Poodle Club of America:Health Concerns
- American College of Veterinary Surgeons:Patellar Luxations
- VCA Animal Hospitals:Luxating Patella in Dogs
- VCA Animal Hospitals:Progressive Retinal Atrophy in Dogs
- VCA Animal Hospitals:Legg-Calve-Perthes Disease
- American College of Veterinary Surgeons:Tracheal Collapse
- Royal Veterinary College(VetCompass):New RVC research gets to the root of dental disease in dogs
- VCA Animal Hospitals:Grooming and Coat Care for Your Dog
- VCA Animal Hospitals:Testing for Low Blood Sugar
- VCA Animal Hospitals:Epilepsy in Dogs
- Journal of Allergy and Clinical Immunology:Can f 1 levels in hair and homes of different dog breeds(2012年)
- American Veterinary Society of Animal Behavior:Humane Dog Training Position Statement(2021年)
- World Small Animal Veterinary Association:Body Condition Score(犬)
- VCA Animal Hospitals:Toy Poodle
- American Academy of Allergy, Asthma & Immunology:Hypoallergenic Dogs and Dog Allergies: Myths and Facts
- AO Foundation(AO VET):Orthopedic fractures in toy breed dogs
- American Veterinary Medical Association:Pet dental care
- Cornell University College of Veterinary Medicine:Managing seizures
- VCA Animal Hospitals:Seizures in Dogs
- Merck Veterinary Manual:Glaucoma in Dogs




